そう生とは(歯がデコボコな歯並び)

そう生とは歯がねじれたり重なり合ったりして、歯ならびがデコボコしている状態のことを指します。乳歯の歯ならびの場合は空隙があるのが正常ですが、永久歯の歯ならびの場合は隣同士の歯がきちんと接している状態が正常となります。そう生は、歯の大きさと顎の大きさの間に起こるアンバランスにより生じ、アンバランスの程度が大き過ぎると抜歯が必要になる場合もあります。前から三番目の歯(犬歯)が歯列から飛び出した八重歯もそう生のひとつで「鬼歯」と呼ばれることもあるようですが、一般的には「乱杭歯(らんぐいば)」と呼ばれ、不正咬合として日本人の内訳の中で最も多いと言われています。]

そう生の原因は?

そう生の原因は大きく分けると先天的、後天的な問題があるようです。

 先天的要因

生まれながらに決まっていることを指し、歯ならびに関しては「歯の大きさ」「顎の大きさ」が問題となるようです。

顎に対して歯が大きい場合

顎の大きさに対して歯の大きさが大きいと、歯がきれいに正しく並ぶ必要なスペースが不足してしまいます。

 歯に対して顎が小さい場合

歯は大きくはないが顎の発育が不十分で、顎の広さと歯の大きさがアンバランスになったりします。

 歯が大きい、顎が小さいといった両方を持ち合わせた場合

遺伝的に父親から大きな歯を、母親から小さな顎を受け継いだなどが考えられます。

後天的要因

生まれた後の環境によって変わってくる要因です。

 歯の交換

乳歯から永久歯へと生えかわる時にスムーズにいかない場合が挙げられます。歯の性質として、隙間があるとそちらに動こうとします。乳歯がむし歯になったり、その他の理由であまりにも乳歯が早く抜けてしまうと、奥歯の永久歯が前へと移動してきて、まだ生えていない永久歯が本来生えてくるだろう場所を失っていまいます。一度失ってしまったスペースを回復するのは困難と言われています。

 悪習癖によるもの

幼少期の指しゃぶりや舌を突き出すなどの癖もそう生の原因に成り得るようです。悪習癖は不正咬合の大きな要因のひとつであり、不正咬合は遺伝と環境によるものとの認識が必要のようです。

 後天的な要因には迅速な対応をした方がいいようです。

 先天的と後天的の両方が要因

歯の交換時期や悪習癖の両方が重なった場合、一般的に難症例になりやすいと言われています。

そう生を放置した場合のデメリットとは?

そう生の抱える大きな問題は、歯がデコボコのため歯磨きがしにくいと言うことです。歯磨きがしにくいと、歯に食べカスなどが付着したままの状態になりやすく、むし歯や歯周病を引き起こしやすくもなり、それが口臭にもつながってきます。また上下の噛み合う歯の位置が異なっており噛み合わせが悪く、食べ物をきちんと効率よく噛めない場合もあります。将来もしも歯を失った時は補綴(ほてつ)治療をしますが、その補綴治療で歯を支える顎の骨(歯槽骨:しそうこつ)が薄いことが多いため、残念なことにインプラント治療が受けられない場合もあるようです。さらには歯ならびが大きく乱れていることから、歯と歯に橋をかけるような人口歯を装着するブリッジ治療も難しい場合が多く見られるようです。外見上の問題だけではなく、治療が出来ない場合も出てきたりと、心理的に大きな負担を強いられることもあるようです。

そう生の治療方法とは?

歯がきれいに並ぶためには顎に十分なスペースが必要であり、顎の骨を広げたり抜歯をしてスペースを確保してから、全体的に奥歯の方へ歯をずらしていったりすようです。そう生の原因は何であれ、矯正治療を開始するのは幼少期が良いと言われています。もちろん大人になってからでも矯正治療は可能ですが、幼少期に始めるほうがメリットは大きいようです。原因別の治療方法をまとめてみたので参考にされてください。

先天的要因が原因の場合

歯ならびがガタガタのそう生は顎の上にきれいに並ぶ歯のスペースが足りてないことで起こります。不足しているスペースをどう作るかが治療法の違いになるようです。

  •  子どもに効果的な治療方法は側方拡大。
  • 子ども大人に効果的な治療方法はIPRと言われる治療。
  • 子ども大人に効果的な治療方法(条件有)は前方拡大、臼歯部遠心移動、少臼歯抜歯と言われる治療。

 子どもの時期のみに効果的な治療法は側方拡大だけで、側方10mm以上の拡大が可能なようです。大人は1〜3mm程度しか拡大ができないようで、このことから大人には効果が薄く、子どもには効果的と言えるようです。先天的な要因が原因の場合は大人になると治療方法がかなり絞られてくるようです。

 □後天的要因が原因の場合

原因別にチェックしてみてください。

 歯の交換による場合

子どもの頃のむし歯で歯が早くに抜けた時の治療方は、歯が並ぶスペースが減らないように保隙装置を使用します。不正咬合の予防としては、抜けていく乳歯に対しても丁寧な歯磨きをすることが大事なようです。

 悪習癖による場合

主な治療方は「口腔筋機能療法」と「様々な習癖除去装置」のようです。

 まとめ

矯正治療によって正しい噛み合わせになった後は、噛み合わせが安定するまで十分な保定期間を設けて、不正咬合が再発しないようにしましょう。

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