矯正歯科治療の痛みについて

矯正歯科治療は「痛そう」と不安を感じる人が多いようです。人には痛感があり、痛みを避ける役割を果たしています。歯医者さんは痛い、だから怖い、行きたくないと思考するのは仕方のない事と言えます。現在の技術で矯正の痛みをゼロにする事は出来ないようですが、個人差によって痛みの感じ方は異なります。案外痛みは感じなかった、予想していたよりも酷く痛みを感じた、など様々です。痛みが強い人は、数日間柔らかい食べ物(豆腐やスープなど)しか口にする事が出来なっかたりもするようです。痛みを感じるという事は、歯が順調に動いている証拠でもありますので、痛みに対する知識を事前に付けておくのも良いでしょう。矯正の痛みには「歯が動く痛み」「ものを噛む痛み」「装置があたる痛み」の大きく分けて3種あるようです。

歯が動く痛み

歯は骨の中(歯槽骨)に埋まっているので、指で動かそうと思い、歯を少しぐらい押しても動きません。

矯正器具で歯に一定の力を与え続けると、「破骨細胞」と言う歯が骨を吸収する作用が働き、移動したい方向へ歯が動きます。元居た場所の骨は一旦無くなりますが、「骨芽細胞」と言う細胞が新たに骨を作ります。骨の量を変化させずに、歯が骨の中を移動していたのです。骨を壊したり作ったりする事を骨代謝と言い、矯正治療は人間の生体反応を利用して成り立っています。「破骨細胞」が作用する時、同時に痛みを感じる物質を出すため、歯が動くと痛いと言うメカニズムになるようです。痛みが苦手な方は、痛み止めを処方してもらい痛みを回避するのも手です。痛み止めは市販のロキソニンなどでも良いようです。マウスピース矯正(インビザライン)、ワイヤー矯正など矯正装置によっても感じる痛みは異なるようです。

マウスピース矯正(インビザライン)の歯が動く痛み

インビザラインは7〜10日毎に新しく交換します。ワイヤー矯正と比べると歯を動かす量は少なく、ゆっくりと動かしていくので、痛みを感じる事はさほど無いようです。また口内炎ができるリスクも低く、装置の違和感も少ないようです。

 ワイヤー矯正の歯が動く痛み

矯正装置を装着した後や、ワイヤー交換時に、痛いと言うより、引っ張られる感覚があるようです。装着直後は強く違和感がありますが、一週間程度で和らぐようです。痛みは食事中に伴う事が多く、何もしていない時は、痛みを感じる事は少ないようです。

ものを噛む痛み

矯正装置を装着した当日の食事から痛みを感じる事があるようです。矯正装置装着後3〜7日間程で痛みが少なくなってくるようです。虫歯のようにズキズキとずっと痛いわけではありません。ものを噛んだ時に痛みが生じます。ですので、硬い食べ物や、噛み切る事が必要な食べ物は避けた方が無難です。矯正装置装着後7日目を過ぎたあたりから、月一回の次の通院までの残り3週間程は、痛みを気にせずに食事が出来る方が多いようです。

痛みを伴う間の食事面が不安な方も多いでしょうから、事前に食事指導をする歯医者さんもありますので相談されてください。

矯正中でも痛くない食べ物

スープ、味噌汁、おかゆ、うどん、パン類、豆腐、卵、ひき肉、魚の煮物、ポテトサラダ、リゾット、グラタン、ゼリー、ヨーグルト、バナナなど、噛まずに食べられる物を選ぶようにしましょう。

 矯正中に避けるべき食べ物

お煎餅、ハンバーガー、サンドイッチ、リンゴ、キャラメル、ガム、ゴマ、細い麺類、伸びるチーズ、お餅、カレー、キムチ、コーヒー、紅茶、赤ワインなど、口を大きく開けて食べる物や、強く噛み切る事が必要になる物、歯に粘着しやすい物、着色する物などは避けましょう。

 装置があたる痛み

矯正装置は、ワイヤーやブラケットなどの装置を使用します。口の中に装着する装置なので、小さく角を丸めたりと年々工夫が施されています。ですが、金属の装置を歯に装着しますので、舌や口の中で装置があたるのを回避するのは困難です。ワイヤー矯正は、装置が粘膜に引っかかる事で、口内炎ができます。できた口内炎に装置があたり痛みが発生します。装置と口内炎の接触を防ぐために、カバー材(半透明の粘土のようなもの)の装着や、歯科用のワックスを活用すれば、痛みは減るようです。食事中などにカバー材が外れてしまう事もあるようですが、万が一飲み込んでも大丈夫な素材で出来ているようなので安心です。

 矯正治療を断念

歯医者さんで説明を受け、納得して矯正治療を開始したとしても、痛みのせいで断念。という事もあるでしょう。

最初の矯正装置を装着した時が一番強い痛みを感じ、その後治療が進むにつれて痛みは軽減する事は分かっていたとしても、早くこの痛みから解放されたいと思っても大丈夫です。

どうしてもつらい症状に悩まされてる場合は、「返金保障システム」など、費用面でのサポートをされている歯医者さんもありますので、その際は無理をせず相談されてください。

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